大学教育研究センター創設によせて

児玉 隆夫



本年4月,待望久しかった「大学教育研究センター」が発足しました.本学が置かれている困難な状況の中で,公立大学としては例を見ないこのような施設が実現できたことをたいへんうれしく思います.市の理解と関係者の努力に感謝するとともに,「新教育課程」発足以来掲げてきた「4年一貫教育」の実質化が加速されることを願っています. 私は学長に就任した直後から,本学を「しっかりと勉強しなければ,進級も卒業もできない大学にしたい」と言い続けてきました.これは単に成績評価を厳しくせよ,ということを意味しているのではありません.私たちが自信を持って卒業生を送り出すことができ,また,卒業生からも「在学中はしなければならないことが多くてたいへんだったけれども,市大に行って本当によかった」と思ってもらえるような大学にしたい,ということです.

そのためには,これまで授業担当者個人個人の判断に委ねてきた授業内容や方法などについて,授業を受ける学生の立場も含めて見直し,目的や目標を明確にし,厳正な成績評価と併せて学習相談体制を整備するなど,多くの事柄に大学として組織的に取り組む必要があります.

「大学教育研究センター」は,単に大学教育について研究をするためのセンターではありません.本学で行われているすべての教育現場をフィールドとして,それが学生にとって厳しいながらも優れた学びの場となるよう,本学の教育を変革していくためのものです.そのための研究と実践を行うセンターです.

最近,大学生の学力低下が問題になっていますが,社会の変化につれて若者の気質も常に変化します.さらに,高校までの教育内容も大きく変わりつつあります.このように変化の激しい環境の中で,各学部で設けられている人材育成の目標を達成するには,もはや個々の教員による対応では無理で,専門的にこの問題に取り組む体制が必要です.

「大学教育研究センター」が機能することで,本学の教育環境は格段に改善される筈です.これによって本学が教育にも力を入れる大学であることを内外に明確にしたいと思います.また,そのような評価が得られるようにならなければなりません.しかしながらこのセンターは,いまはまだ立ち上がったばかりでまだまだ不完全です.私の在任中に施設の整備等所期の目標が達成できるよう,引き続き努力をしたいと思います.






トップへ戻る




Copyright(c) Osaka City University Center for Research and Development of Higher Education